西修の少年誌の他雑誌同時連載・同時表紙は珍しい?過去データから検証!

西修 同時連載 表紙 ジャンプ チャンピオン

2024年12月16日(月)発行の週刊少年ジャンプ3号にて、原作として連載をしている『魔男のイチ』がジャンプ本誌の表紙を飾ったことで、2024年12月12日(木)に発行された週刊少年チャンピオン2+3号の連載作品である『魔入りました!入間くん』との他雑誌による同時連載の表紙が再び一致することになりました。

2024年9月9日(月)以来の二度目の同時表紙ということもあり、大きな話題を呼んでいます。
西修先生は「同時期に表紙が被ったのは偶然」とのこと。
1ファンとしてとても喜ばしいことではありますが、ふと疑問が生まれました。

もこ丑

他雑誌で同時連載して、同時表紙はそんなに珍しいの?

この疑問を解決すべく、調査をした結果をまとめましたので、ご覧ください。

目次

他雑誌同時連載・同時表紙で「原画・原作」×「原作」は西修先生が初

調査をした結果、他雑誌同士で同時に表紙になった事例は過去にも存在しました。
ですが、片方を自身の「原画・原作」、もう片方を「原作」のパターンは西修先生が初であるようです。

1959年~2019年:他雑誌連載の同時表示のデータと結果のまとめ

漫画 1974 42号 手塚治虫
https://soorce.hatenablog.com/entry/20240919/1726744996 より抜粋
週刊少年マガジン・チャンピオン1974年42号表紙

実際に検証されたデータがこちらです。
週刊少年誌の内、2誌での同時表紙は西修以前にもあったけど、組み合わせ的には初っぽい、という検証結果が出た

実際に検証されたデータは、1959年~2019年のデータで検証されていました。
内容を簡単にまとめると、以下の結果となりました。

 ・最古のデータは、1967年の川崎のぼる
  マガジン「巨人の星」×サンデー「アニマル1」

 ・最多は水島新司の17回
  サンデー「一球さん」×チャンピオン「ドカベン」

 ・手塚治虫は3回
  マガジン「三つ目がとおる」×チャンピオン「ブラック・ジャック」
 
 ・ジャンプ×チャンピオンの組み合わせは2回
  永井豪  
  「ハレンチ学園」×「あばしり一家」
  梶原一騎
  「侍ジャイアンツ」(井上コオ)×「剣は道なり」(荘司としお)

いずれも、「原画・原作」×「原画・原作」、「原作」×「原作」の組み合わせとなっており、
西修先生の今回のパターン「原画・原作」×「原作」は検証されたデータでは発見されなかったようです。

2019年以降:他雑誌連載の同時表示のデータと結果のまとめ

2019年までの調査方法と同様に、週刊少年誌の4つ「ジャンプ」、「マガジン」、「サンデー」、「チャンピオン」を対象に調査を行いました。同時連載をしていた作家を対象に調査をした結果は以下のようになりました。

・他雑誌同時連載の作家は存在するものの、
 同時表紙は見当たらなかった。
・他雑誌同時連載で同時表紙は確認できる限りだと、
 西修の2回が最新となった。
 チャンピオン「魔入りました!入間くん」×ジャンプ「魔男のイチ」(宇佐崎シロ)

『からかい上手の高木さん』を連載されていた山本崇一郎先生や『FAIRY TAIL』でおなじみの真島ヒロ先生、『推しの子』、『かぐや様は告らせたい』の連載で有名な赤坂アカ先生といった、他雑誌同時連載の作家は存在したものの、同時表紙というのは、西修先生以外には今回の調査では見つけることができませんでした。

まとめ:2019年以降は同時表紙が珍しい現象に

今回の調査で、2019年以前は他雑誌連載であっても同時表紙になるケースが多数存在していたことが分かりました。
ですが、2019年以降は、他雑誌連載をする漫画家が存在する一方で、同時表紙となるケースは2019年以前ほど多くはありませんでした

西修先生のXの画像より抜粋
https://x.com/osamun24/status/1832974611224592457

他雑誌同時連載・同時表紙の西修先生が珍しい理由

調査の結果から、2019年以降は顕著に同時表紙が珍しい現象となっていることが分かりました。
なぜ、同時表紙が珍しい現象となったのか理由を考えてみました。

連載の多様化

同時表紙が珍しくなった理由として、連載の多様化があると考えられます。
今では週刊連載をするといっても、電子版なのか、本誌なのか、別冊なのか、月刊なのか、その種類は片手では数えきれないほど増えたと思います。特に電子版、ネットでの連載が力を伸ばしているのが現代です。

1980年代前を想像してみてください。今や主流となっているネットでの連載はなかったと思います。
1980年代以前では本誌で連載されていた漫画も、現代では漫画家の働き方やそれぞれの考え方によって、本誌ではなく電子版、ネットでの連載を行うことも多くはありません。

同時連載を抱えている場合、片方が本誌で片方がネットでの連載ということも少なくはないでしょう。
そして、ネットでの連載は各漫画が個別個別で連載を行うことになるため、本誌のような表紙を飾るという機会が自然と減っているのも同時表紙とならないことに繋がっている要因であると考えられます。

話題になる漫画家の増加

同時表紙が珍しくなった理由として、表紙を飾れるほど話題になる漫画家が増加したことが考えられます。
SNSや情報発信ツールの発達により、どんな漫画が面白いだとか、どの漫画家が面白い作品を書いているだとか、面白いものを発見するスピードが格段に上がりました。
大手の雑誌で連載して口コミで広まっていった時代よりも、格段にその発見スピードは速くなったと言えます。

そうして話題になる漫画家と作品が多く生まれたことによって、表紙を飾る人気作品が様々な雑誌で増え、他雑誌連載をしていたとしても、同時に表紙になるタイミングは少なくなったと考えられます。

まとめ:ヒット漫画が分散する時代だからこその珍しさ

漫画を発信する方法が多様化し、ヒット漫画が多く生まれる今だからこそ、表紙を飾れるほどの漫画が同じ作家であり、同時に表紙となるのは稀有なことだと言えそうです。

まとめ 

今回の調査の結果、漫画の発信が多様化しヒット漫画が多く生まれる令和だからこそ、他雑誌同時連載・同時表紙が珍しいことであると分かりました。データが正確ではない部分はあるものの、この難しい状況の中で2回も同時表紙を達成された西修先生は本当にすごいですよね!

ジャンプ連載の漫画「魔男のイチ」(西修・宇佐崎シロ)は未知なる敵も出現し、かなり熱い展開となっているほか、チャンピオン連載の「魔入りました!入間くん」(西修)は新章に入り、今後の展開が気になる状態となっています。また、「魔入りました!入間くん」はアニメ第4期の制作も決定して波に乗っています。

どちらの作品もまだまだヒットしそうな予感。
他雑誌連載・同時表紙の記録がどこまで伸びていくのか要注目ですね!

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「魔入りました!入間くん」の魅力についてはこちらを参照

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