バードストライクとは?発生原因と確率、防止対策についてまとめ!

バードストライクとは?発生原因と確率、防止対策についてまとめ!

2024年12月29日の午前9時3分ごろに韓国で発生した旅客機の着陸失敗による事故によって多くの人々が亡くなりました。韓国国土交通省によると、バードストライクが原因となって発生した旅客機事故だとされており、詳しい捜査が行われています。

もこ丑

バードストライクってよく聞くけど、原因は何だろう?
避けられないのかな?


バードストライクがどういうものなのか、発生確率はどれぐらいなのか発生をさせないための防止策などを調べてみました!

目次

バードストライクとは

バードストライク(bird strike)とは、鳥類が人工の構造物に衝突する事故のことを指します。
別名は鳥衝突といい、主に航空機と衝突した際の事例を指すことが多くなっています。

人工構造物ということで、航空機以外の鉄道や自動車といった乗り物や風力発電のプロペラ、送電用の鉄塔、送電線、ビル、灯台、家屋などと衝突した場合でもバードストライクということになります。

バードストライクが発生する原因

鳥類の飛行高度と人工構造物の走行高度が重なる
・鳥類がガラス等に反射した空と本物の空との区別がつきにくくなっている

鳥類が飛ぶ高度や空に人工構造物が進出したことによって、バードストライクの発生件数が増加したと言われています。もともと空は翼をもつ生物たちの独壇場であったため、衝突が起きてしまうのはしょうがないことではあると言えるでしょう。

バードストライクの発生件数が多い航空機については、航空会社や空港などがバードストライクが発生しないような施策を行っていますが、具体的な解決策は見いだせておらず頭を悩ませる問題となっているようです。

建造物へのバードストライクの原因としては、ガラスの反射によって鳥の認知が混乱してしまうことが考えられています。特に建物が全面ガラス張りだと、空や森林などが反射することで鳥類がそこに空や森林があると勘違いしてガラスにぶつかって衝突することがあるようです。

もこ丑

実際に、公園の近くに住んでいた際には、
何度か窓ガラスに野鳥がぶつかることがありました。

バードストライクが原因の主な事故

バードストライクが主な原因となって起こった事故について、主要なものをまとめました。

年月日衝突した人工物原因被害事故名称など
1960年6月19日F1:
フォーミュラーカー
操縦者の顔面に鳥が衝突アラン・ステイシー
が事故死
1960年10月4日旅客機離陸直後にムクドリの群れと衝突し墜落乗員乗客72人中
62人が死亡
イースタン航空375便墜落事故
1975年11月12日旅客機離陸時にカモメの群れに衝突し滑走路を逸脱して炎上乗客乗員139人に
死者はなし
1988年9月15日旅客機離陸直後にハトの群れに衝突し、両エンジンが停止後に不時着乗員乗客104人中
31~35人が死亡
エチオピア航空604便不時着事故
1995年9月22日空軍機離陸直後にガチョウの群れと衝突。エンジンが停止し、操縦不能となり墜落乗員24人全員死亡1995年アメリカ空軍E-3セントリー墜落事故
2004年11月28日旅客機離陸直後に鳥と衝突
着陸時に滑走路を逸脱
乗員乗客146人に
死者はなし
2008年11月10日旅客機着陸時にムクドリと衝突。両エンジンが停止しハードランディング乗員乗客172人に
死者はなし
ライアンエアー4102便事故
2009年1月15日旅客機離陸直後にカナダガンの群れと衝突。両エンジンが停止。ハドソン川に不時着水乗員乗客155人に
死者はなし
USエアウェイズ1549便不時着水事故
2014年3月28日鉄道(JR)走行中の列車にカラスが衝突。列車のフロントガラスが破損けが人なし
大幅に電車は遅延
2019年8月15日旅客機離陸直後にカモメの群れに衝突。両エンジンが停止し、不時着乗員乗客172人に
死者はなし
ウラル航空178便不時着事故

航空機の事故が最も多く、自動車や鉄道での事故の例もありました。
建造物の事故に関しては、人間の犠牲がないものの渡り鳥が衝突して命を落とすケースが多くなっているようです。

バードストライクは離着陸直後の発生が多い

飛行区分別 バードストライク及び航空機損傷件数(2023年)

バードストライクの大きな事故は航空機との衝突によって発生しているものが多く、そのほとんどが離陸時に発生しているケースが多数となっていました。
離着陸の計11分は航空機の中でも最もバードストライクが多く、「魔の11分」とも呼ばれています。
日本国内では大きな事故にはなっていませんが、国内でもバードストライクは多く発生しています。

高速移動中の人工構造物と鳥との衝突は小鳥程度の大きさでも非常に衝撃が大きくなり、その多くが重大事故に発展しています。航空機以外では、自動車との衝突によってフロントガラスが破損して自動車に乗車していた人が怪我を負うことも少なくはないようです。

バードストライクは先端と翼・エンジンへの衝突が主

航空機 衝突部位・損傷部位 バードストライク(2023年)
国土交通省:2023(令和5)年バードストライクデータより

日本のデータにはなりますが、国土交通省のデータによると、航空機のバードストライクはエンジン/プロペラが最も多くなっていることが分かります。次いでノーズ(先端部分)、翼と続いています。

エンジン/プロペラは大きく吸い込む力も強いため、バードストライクの発生箇所として件数が多くなっているようです。当たり所が悪ければ、エンジンが停止してしまい不時着する必要が出てしまったり、最悪の場合墜落してしまったり、と大きな事故に発展してしまいます。

バードストライクは昼間での発生が多い

バードストライク 時間帯別発生件数割合(2023年)
国土交通省:2023(令和5)年バードストライクデータより
2023年 バードストライク 鳥種・季節・時間帯別 航空機損傷件数
国土交通省:2023(令和5)年バードストライクデータより

バードストライクは鳥類の活動時間や就航本数が多い昼間に件数が最も多くなっています。
発生する季節としては冬が最も多くなっており、渡り鳥との衝突が原因として推察されます。

鳥種としてはタカ科が一番多く、トビによるバードストライクが多いようです。
トビは大きく飛行高度も航空機と被ることも多いため、衝突することが多いと考えられています。

また、海上に空港がある場所では、ウミネコやカモメの群れによって滑走路が埋まってしまい、滑走路が走れなくなる事象も発生することが多く、航空機の離発着が遅れる原因になることもあるようです。

国内のバードストライクの発生件数と確率

日本国内ではバードストライクが原因の大きな事故はまだ起こってはいません。ですが、日本国内でも年間に1000件以上のバードストライクが発生しています。国土交通省のデータを元に下記に詳細をまとめました。

バードストライクが発生する確率は0.06%~0.1%

国土交通省:2023(令和5)年バードストライクデータより

2023年に発生したバードストライクの件数は1499件で、全体の離着陸回数のうち約0.06%の確率バードストライクが発生していました。鳥と接触した、いわゆるニアミスをした件数は約900件ほどになっています。
ニアミスした回数も含めると0.06%~0.10%の確率でバードストライクが発生していると言えるでしょう。

確率的には低いですが、一日に数件はバードストライクが発生しており、航空会社や空港の方々の尽力によって大きな事故に至っていないのが現状になっています。

発生件数の増減については、空港の国際化や就航本数の増加によって、バードストライクの発生確率と件数は比例して増加する傾向にあるようです。

バードストライクの防止対策

バードストライクの防止対策には、航空機の設計時に行われるものと実際の離着陸時で行われる運用上での対策2種類があります。

航空機の設計時でのバードストライク対策

バードストライクに対する設計時の対策

そもそも航空機はバードストライクが発生することを想定して設計が行われています。
空を飛ぶため、鳥とぶつかるリスクはゼロにすることは不可能となるからです。
設計時の対策として以下の例のようなことが行われています。

・エンジンに鶏を高速で投げ込んで耐久テストを実施
・コックピットの窓や翼の前面に高速で鳥をぶつけて耐久テストを実施

安全面を強化するため、鶏には申し訳ない感じがしますが、耐久度を確認するために例のようなことは行われており、基準を超えなければいけない仕組みになっているようです。

開発の段階でテストをすることで、全くのノーダメージというわけにはいきませんが、フライトが継続できる程度の損傷で耐えれるように設計されてテストが行われています。

航空機の機首の先端部分については、装甲を厚くするといった補強などの工夫が行われており、航空機によってその様態は異なっています。

航空機の運用上でのバードストライク対策

平成20年度 交通事故の状況及び交通安全施策の現況 平成21年度 交通安全施策に関する計画(概要)
トピック
航空機への鳥衝突(バードストライク)防止に向けた取組
内閣府 航空機への鳥衝突(バードストライク)防止に向けた取組より

日本では航空会社や空港によってバードストライクが発生しないように様々な防止対策が取られています。
大きく「鳥類の生態に関する監視体制の強化」「防除体制の強化」「指導体制の強化」の三つに分かれて対策が講じられています。

特に成果を上げているのは「防除体制の強化」となっており、空港で行われるバードパトロール方式が主な対策となっています。

<バードパトロール方式の一例>
・車両で鳥類を追いかける
・空砲を鳴らす
・のろしや花火のようなものを上げる
・スピーカーで鳥が嫌がる音を出す
・鳥型のドローンを飛ばして追い払う 
 など

バードストライクに対して対策は取られているものの、地上で行われる対策や確実な実効性が見られない対策であったりと、発生件数が激減するような実効性の高い対策はまだまだ生み出されてはいないのが現状となっています。
環境の変化によっても鳥類の行動が変化したりするため、対策は本当に難しいものとなっているようです。

まとめ

・バードストライクは鳥類が人工の構造物に衝突する事故のこと
・バードストライクの発生確率は0.06%~0.1%
・バードストライクは航空機が最も多く、エンジンへの衝突が一番多い
・バードストライクの防止対策はあるものの実効性があるものが少ない

バードストライクというものが何か、発生原因や確率などについてまとめました。
人類の技術発達によってバードストライクは発生してしまっており、今後も避けられない問題となっています。

バードストライクは場合によっては死者が多数発生する重大な事故になりかねない非常に大きな問題となりつつあります。私たち個人では対応しきれない問題ではありますが、どういう問題なのかを知って理解することはできます。
今後、鳥類にも人間にも優しい世界になるよう実効性のある防止対策が編み出されることを願うとともに、悲しくも事故に遭われ命を落としてしまった方々へご冥福をお祈りいたします。

<参考>
国土交通省:2023(令和5)年バードストライクデータより

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