2025年1月15日に第172回(2024年下半期)の芥川賞と直木賞の受賞作品と受賞者が決定しました!
芥川賞には、安藤ホセさんと鈴木結生さん、直木賞は伊与原新さんが受賞されました。
<芥川賞>
「DTOPIA」(デートピア) 安藤ホセ さん(30)
「ゲーテはすべてを言った」 鈴木結生(ゆうい) さん(23)
<直木賞>
「藍を継ぐ海」 伊予原新(しん)さん(52)
芥川賞が2人でダブル受賞となりました
ダブルと聞いたので、芥川賞と直木賞の両方を受賞したのかと思いましたがそうではないようです
今回の芥川賞のように同じ賞を2人など複数人が受賞することはあるようです。
芥川賞と直木賞の同一作家の同時受賞及び両方の賞の受賞は一度もありません。
なぜ、芥川賞と直木賞の両賞を受賞することはないのでしょうか?
疑問に感じたため調べてまとめてみました!
芥川賞と直木賞の違いまとめ
芥川賞と直木賞は、どちらも1935年に創設された歴史ある文学賞です。
芥川賞と直木賞について概要とどういった点が異なるのかをまとめましたのでご覧ください。
芥川賞と直木賞の概要
項目 | 芥川賞 | 直木賞 |
---|---|---|
正式名称 | 芥川龍之介賞 | 直木三十五賞 |
創設年 | 1935年 | 1935年 |
創設者 | 菊池寛 | 菊池寛 |
受賞頻度 | 1年に2回 | 1年に2回 |
賞品 | 懐中時計 | 懐中時計 |
副賞 | 100万円 | 100万円 |
芥川賞・直木賞ともに、1年に2回、上半期と下半期で受賞候補作品を選定したのち、選考会を経て受賞作品が決定されます。
概要はほとんど同じですね!
芥川賞と直木賞の違いは対象作品と対象作家が違う
では、芥川賞と直木賞の選考基準について、違いは何があるのでしょうか?
簡単にまとめました。
項目 | 芥川賞 | 直木賞 |
---|---|---|
対象作家 | 無名の作家 新人作家 | 中堅作家 両賞の受賞歴のないベテラン作家 |
ジャンル | 純文学 | 大衆文学 |
作品の長さ | 短編 中編 | 規定なし |
特徴 | 内面描写、言葉選び 文学的な挑戦を重視 | 物語の面白さ エンターテイメント性を重視 |
選考基準はかなり内容が異なっていました。
芥川賞は「これからの才能を発掘する場」として、新人やまだ広く知られていない作家にチャンスを与えることを重視しており、直木賞はすでに一定のキャリアを積み、読者の注目を集めるようになった中堅作家やベテラン作家がより周知されることを重視していることが分かりますね。
芥川賞について、対象作家は新人作家・無名作家ですが過去の受賞者の中には11年目に受賞をしたという作家さんもいらっしゃるため、あまり明確な年数の基準などはなく、曖昧な可能性があるとされています。
芥川賞と直木賞は選考基準が違うため受賞できない
芥川賞と直木賞が同時受賞できない理由や芥川賞と直木賞のどちらも受賞できない理由は以下の通りです。
それぞれ細かく見ていきましょう。
選考基準が異なるため同時受賞はできない
芥川賞と直木賞の選考基準は異なっているため、選考基準が異なるため同時受賞はできないようになっています。
対象作家が異なっていることやジャンルが異なっているため、同一の作品が芥川賞と直木賞の対象となることは滅多にありません。賞の創立からは同一の作品が芥川賞と直木賞を両方受賞したことは、調査した限り一度もありません。
同じ作家で違う作品2つだったら受賞できることはあるのかな?
同じ作家で違う作品2つで芥川賞と直木賞の選考対象の作品になることはあったようです。
ただし、作家も多い現代では同時候補になることは非常に稀となっています。
どちらか片方を受賞したことがある場合、慣例的に選考から外れる
芥川賞と直木賞のどちらかを受賞したことがある場合、後年から慣例的に受賞した作家さんは芥川賞と直木賞の対象作品から外されるようです。
ただし、明確に片方の賞を受賞するともう片方は受賞できなくなるというルールはありません。
また、芥川賞や直木賞はその賞の特徴的に、新人やまだ広く知られていない作家にチャンスを与えること、中堅作家やベテラン作家がより周知されることが重視されています。
芥川賞や直木賞を受賞した作家というのは、「認められた作家」ということになります。
では、芥川賞や直木賞を受賞した作家が、更にもう片方も受賞した場合はどう思われるでしょうか?
・芥川賞と直木賞は大した賞ではない
・まだまだあなたは新進・中堅作家でしかなく知名度もないんですよと言われているようなもの
⇒ 両方受賞は自ら取得した賞の価値を否定している
芥川賞と直木賞や受賞した作家の権威を保つためにも、両賞受賞はないようですね
まとめ
・芥川賞と直木賞は、年2回受賞がある名誉のある文学賞
・芥川賞と直木賞は、これからの作家を応援し盛り上げていくための賞
・芥川賞と直木賞の権威性を保つためにも両賞を受賞することはない
・芥川賞と直木賞の両方の受賞候補にあがることはあるが稀
芥川賞と直木賞について、各賞の違いや同時受賞があり得るのかをまとめました。
芥川賞と直木賞は同じ年代に創立された賞ではありますが、その参考基準は全く異なっています。
芥川賞も直木賞も数多くの文学作品の中から選ばれる名誉のある賞です。
たまにはスマホや動画の視聴から離れて、過去の受賞作も今回の受賞作も手に取って、選ばれた文学の物語の世界にたまには没頭するのも悪くないかもしれませんね!
<2024年下半期の芥川賞・直木賞受賞作品はこちらから>