男子も女子も煌びやかで美しい氷上スポーツであるフィギュアスケート。でも詳しいシーズンや年間スケジュールがどうなっているのか分かりませんよね?
シーズンってどこまでの期間?
大きな国際大会に出る基準とか分からない
そんな疑問を解消します。
調べれば調べるほどややこしい。
そんなフィギュアスケートの世界を簡単にご紹介!
本記事を見ればフィギュアスケートのシーズンと大会・年間スケジュールがバッチリ分かりますよ!
フィギュアスケートのシーズンは8月~3月の約7ヶ月
ジュニア、シニア共にシーズンは8月末から3月の約7か月になります。
オフシーズンである5月~7月までは、新プログラムの作成に取り組んだり、新しい技の練習に費やしたり、アイスショーに出たりします。
ジュニアとシニアの主な国内・国際大会をまとめましたのでご覧ください。
ジュニアの大会について
13歳からジュニアの国内・国際大会に出場することができます。
12歳以下までは国内の大会に出場することが多くなっています。
ジュニアの大きな国内・国際大会は大きく分けて三つです。
ジュニアグランプリシリーズ(JGPシリーズ)
13歳から19歳までのジュニアの選手が出場するシリーズ。7か国で開催。
総合ポイント上位6選手が、ジュニアグランプリファイナルへと出場することができる。
※ペア・アイスダンスの男子選手は21歳まで出場可能
ジュニアグランプリファイナル(JGPF)
ジュニアグランプリシリーズで総合ポイント上位6選手による上位の大会。
開催時期はシニアのグランプリファイナルと同時時期に行われる。
シニアのグランプリファイナルとの掛け持ち出場はできない。
世界ジュニア選手権
13歳から19歳までの選手が出場する国際大会。ジュニアの大会の中では最も重要な国際大会となる。
この大会に出場した選手がシニアの試合に出れる年齢であれば、オリンピックやシニアの世界選手権に出ることは可能。各国で出場枠が決まっており、前年の世界ジュニア選手権大会の順位によって、出場枠の数が決定されます。
※ペア・アイスダンスの男子選手は21歳まで出場可能
2025年はハンガリーで開催予定!
シニアの大会に出るには17歳を超える必要あり
ジュニア選手がシニアの大会に出れる年齢は、ISU(国際スケート連盟)の規定により17歳からとなっています。
選手寿命を延ばすため、シニアの大会に出ることのできる年齢制限が2022年に引き上げられました。
シーズン前の7月1日時点での年齢によって、次のシーズンでシニアの試合に出場できるかが決まります。
2024年の1月で17歳になったジュニアの選手の場合、25年ー26年の次シーズンにはシニアの試合にも出場が可能となります。つまり、シーズン中に年齢制限を超えても、そのシーズン中はシニアの大会に出ることができないということになります。
日本で注目されている男子の中田璃士選手や女子の島田麻央選手は、25年ー26年のシーズン中に17歳となるため、2026年のミラノのオリンピックには出場ができないようです。
シニアの大会について
シニアの大会は、17歳以上の選手が出場可能です。
大会によっては出場規定もあり、力のある選手ほど多くの国際大会に出場していくこととなります。
個人の大会と団体の大会があり、オリンピックのような特定の年に開催される大会もあります。
8月~12月の主要な大会
主に大会名の最後に「シリーズ」と名前の付く大会が主になります。12月初頭のグランプリファイナルが最も大きな大会となっており、シーズン後半の大きな国際大会に向けた足掛かりにもなる大会が多くなっています。
チャレンジャーシリーズ
各国で開催される10大会の総称を指します。選手自身でどの大会にエントリーするのか決めることが可能です。シーズン初戦ということもあり、新プログラムや衣装のお披露目が多く、注目度が高くなっています。シーズン最初の華やかな期間です。
グランプリシリーズ(GPシリーズ)
6か国で開催されるシーズン前半のメインの大会になります。
国際スケート連盟(ISU)が世界のトップ選手たちを各試合に任命します。前シーズンの世界選手権大会委で上位6位の選手たちは2大会出場することができます。
各大会の順位によってポイントが割り振られ、ポイント合計上位6位までがグランプリファイナルの出場権を獲得します。
日本ではNHK杯がグラプリシリーズに当たります。
グランプリファイナル(GPF)
グランプリシリーズにて選出された上位6位の選手によって順位を決めるシーズン前半の最も権威のある大会となっています。独特な緊張感を持つ大会であり、力のある選手でもプレッシャーにのまれてしまうこともある大会です。
12月~3月の主要な大会
12月以降の大会は、各国で出場枠が限られた大会が多くなります。
四大陸選手権やオリンピック、世界選手権といった大きな大会が控えており最も注目される部分となります。
国内選手権
各国で開催される国内の選手権大会。
シニアに属する選手であれば出場可能となっています。
国内大会の成績や、前年の成績によって四大陸選手権、オリンピック、世界選手権に派遣する選手が選定されます。
全日本選手権
日本のトップ選手たちが一堂に会する国内最大の選手権大会です。
前シーズンに全日本選手権で3位までの選手はシードとして出場可能で、各地方の予選を勝ち抜いた選手たちに出場権があります。全日本選手権大会で優勝した場合、四大陸選手権や世界選手権の内定は、ほぼ確実と言われています。
そのため選手にとっては、全日本選手権大会は非常に大きな意味を持つ大会であるとされています。特にオリンピックが控えているシーズンでは、オリンピックの選考にも影響を与えます。
四大陸選手権
ヨーロッパ、ロシアを除く国と、アメリカ、アジア、アフリカ、オセアニアの4大陸の選手を対象とした大会で、オリンピック、世界選手権に次いで権威のある大会となっています。
日本選手は四大陸選手権に出場するということだね
2025年は韓国・ソウルで開催予定
ヨーロッパ選手権
ヨーロッパ・ロシアの選手を対象とした大会で、四大陸選手権と同等に権威のある大会となっています。
ヨーロッパ版の四大陸選手権。
四大陸選手権は選手人口の増加によって増えた大会なんだとか
オリンピック
世界選手権と同様のシーズンで最高峰の大会として位置付けられています。
4年に一度開催され、個人競技以外にも、団体戦がありフィギュアスケートの総合大会ともいえます。
次回開催は、2026年のミラノオリンピックの予定です。
世界選手権大会
シーズンのクライマックスの集大成といえる大会です。
オリンピックに次いで権威のある大会となっています。ここでの勝者は「世界王者」と呼ばれます。
2025年はアメリカ・ボストンで開催予定
国別の団体戦もある
フィギュアスケートには国別の団体戦も存在し、オリンピックの団体戦も然りですが、普段の大会では見られない選手の姿も見ることができます。
ジャパンオープン
日本、北米、欧州の3チームで戦う団体戦になります。
プロ・アマチュアを問わず、男女シングルスケーター各2名ずつ計4名でチームを構成し、各選手のフリースケーティングの総合点で順位が決定します。
2024年は開催中止になってしまいました。
国別対抗戦
2009年から2年おきに開催される大会。世界ランキング上位6位の国が参加し、男女シングル、ペア、アイスダンスの4種目の総合成績で争う団体戦となります。応援合戦なども行われ、普段の大会では見ることのできない選手の姿を見ることができます。
次回開催は、2025年となっており、日本の東京体育館で開催される予定となっています。
<詳細はこちら(ISU スケートイベント)から>
フィギュアスケートのグランドスラム
世界選手権、欧州選手権または四大陸選手権、グランプリファイナルのすべてで優勝することをグランドスラムと呼びます。グランドスラムにオリンピックの優勝を含めるとゴールデンスラムと呼ばれるようです。
また、ゴールデンスラムと世界ジュニア選手権とジュニアグランプリファイナルの6大会を制覇するとスーパースラムとなるようです。
男女シングルのスーパースラムは、男子では羽生結弦選手のみ、女子では韓国のキム・ヨナ選手、ロシアのアリーナ・ザギトワ選手の2選手が達成をされています。
名前を耳にしたことのあるレジェンド選手は、
グランドスラムを達成していることが多い!
世界ランキングはポイント制で2種類
フィギュアスケートは、各大会の順位に応じてポイントが振り分けられ世界ランキングが決まります。
ポイントの比率は大会によって異なり、「オリンピック」「世界選手権」が一番獲得ポイント数が多く、次いで「四大陸選手権」「グランプリファイナル」が獲得ポイント数が多くなっています。
また、この4大会の中から獲得したポイントが高い2つの大会分のポイントがランキングに反映されることとなっており、シニアの世界ランキングはかなりややこしくなっています。
フィギュアスケートの世界ランキングは2種類あり、国際スケート連盟(ISU)の世界ランキングとシーズン世界ランキングとなっています。テレビなどで報じられる世界ランキングは3年間の活躍によるランキングとなっており、シーズン世界ランキングではありません。
加えて、世界ランキングは今シーズンと昨シーズンの100%分、おととしのシーズンの70%分を合算したポイント数が世界ランキングの比較ポイント数となっています。
まとめ:フィギュアスケートの大会はステップアップ型の大会が多い
ジュニア・シニア共に、フィギュアスケートの大会は下位の大会から徐々にステップアップしていく大会が多くなっています。強い力のある選手であればあるほどシーズン中は多忙を極めることとなります。
また、大きな国際大会になればなるほど、そのプレッシャーは重く選手へとのしかかることとなり、その重さは想像を絶するものでしょう。それゆえか、選手寿命は平均として、女子であれば20代後半、男子だと30代前半までと短くなっています。
日本のフィギュアスケート選手たちは、どの選手も強く、魅力であふれています。
選手たちがどんな大会でも力を出せるように、私たちは暖かい声援を送っていきましょう!!
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