日本のお隣である中国で呼吸器感染症の一種である「ヒトメタニューモウイルス」が感染拡大し、猛威を振るっているようです。
1月末から2月初週に中国最大の祝日である「春節」が訪れ、約90億人が移動する時期がやってきます。
それに合わせて感染拡大が懸念されています。
あまり聞きなじみのないウイルス
幼い子供や高齢者がかかることが多いようです
幼い子供の発症が多いようですが、大人でも十分に感染する可能性があるのだとか。
そんな「ヒトメタニューモウイルス」とは何なのか、主な症状や感染症への対策についてまとめました!
「ヒトメタニューモウイルス」とは 呼吸器系の感染症の一種
「ヒトメタニューモウイルス」とは何なのか、下記に概要をまとめました。
10歳ごろまでに一度は感染する
「ヒトメタニューモウイルス」は乳幼児の気管支炎の原因としてよく見られるウイルスと言われています。初めて発見された際も、小児の気道からの分泌物からウイルスが発見されました。
乳幼児期にかかる病気の根本的な原因が「ヒトメタニューモウイルス」によることもあり、10歳ごろまでには誰しも一度は感染をしているとされています。
検査は普通の内科では難しい
「ヒトメタニューモウイルス」はもともと子供がかかりやすい病気であるためからか、通常の内科では検査キットがおいていないことが多いです。(小児科にはあることが多い)
かかりつけにしている病院に検査キットがあるかどうかは、病院に問い合わせをする必要があります。「ヒトメタニューモウイルス」は大人の検査は断られる事例も多いため、そもそもの検査キットの数が少ない可能性もあります。
検査を受けられなかった場合でも、同じ時期にインフルエンザも流行するため、インフルエンザの発症も疑って検査を受けると良いでしょう。
感染しても休む期間の指定はない
「ヒトメタニューモウイルス」はインフルエンザや新型コロナウイルスと似た症状を持つ呼吸器感染症ですが、届出対象ではなく、流行の把握が難しい他、「○○日休む」といった休む期間の指定がない病気となっています。
幼稚園や保育園はもちろん小学校も「ヒトメタニューモウイルス」の感染が拡大したからと言って現状では学級閉鎖などにはならないようです。もちろん会社も休暇を取って療養することになるでしょう。
「ヒトメタニューモウイルス」の主な症状は、発熱・咳・倦怠感
「ヒトメタニューモウイルス」は子供や高齢者、基礎疾患がある人が発症した場合は、免疫力が低いため、肺炎や気管支炎などの重篤化を招く恐れがあるウイルスです。主に乳幼児や小児が主に感染する呼吸器感染症ですが、普通に大人でも感染します。大人が発症した場合の症状や他の呼吸器感染症との違いをまとめました。
大人が発症した場合の一般的な症状まとめ
大人が「ヒトメタニューモウイルス」に感染した場合は一般的に下記のような症状が出るとされています。
症状 | 主な症例 |
---|---|
発熱 | 37.5~39℃の発熱 |
咳 | 乾いた咳が続く、痰が絡む |
喉の痛み | 喉の違和感やイガイガとした症状、痛みなど |
鼻水・鼻づまり | 風邪に似た症状が出る |
倦怠感 | 疲労感が強くなる、身体がだるく重い |
個人差が多く見られることはありますが、大人が「ヒトメタニューモウイルス」を発症すると、軽度から中度の呼吸器関係の症状が主に出ます。人によっては熱が上がったり下がったりします。
大人でも、65歳以上の高齢者や基礎疾患がある人、妊婦等は重篤化のリスクが高まるため要注意が必要です。また、日々の疲労や睡眠不足、病気の治療などで免疫力が低下している場合も重篤化のリスクが高まるとされています。
違和感がある場合は、速やかに医療機関を受診して、早期の対処を心がけるようにしてください。
「ヒトメタニューモウイルス」と他の呼吸器感染症との違い
「ヒトメタニューモウイルス」と他の呼吸器感染症は何が違うのか、症状や検査キットの有無、対処をまとめて比較してみました。
感染症 | 主な症状 | 検査キット | 病気への対処 |
---|---|---|---|
ヒトメタニューモウイルス | 発熱・咳・喉の痛み・軽い倦怠感 | 少ない(大人は内科にないことが多い) | 症状に対する対症療法で特定の薬はない |
インフルエンザ | 高熱(38℃以上)・筋肉痛・関節痛 | あり | タミフル、リレンザなどの特定の薬 |
新型コロナウイルス | 味覚聴覚障害・咳・呼吸困難・発熱 | あり | ソコーバ、ラゲブリオなどの特定の薬 |
「ヒトメタニューモウイルス」は他の呼吸器感染症と比べると症状はかなり似ていると言え、素人では判断が付きません。しかし、病気への対処においては特攻薬となるものはなく、出ている症状に対しての対症療法が主に行われるのが特徴的であると言えます。
「ヒトメタニューモウイルス」が発症し、発熱があれば解熱剤、咳が出ていれば咳止めなどが処方されます。これが対症療法と呼ばれる対処方法になっています。
倦怠感を感じたり、発熱が続いたり、ゼーゼーとした呼吸の場合は、専門の医者に見せたほうがいいと言われています
「ヒトメタニューモウイルス」は基本的な感染症対策で予防が可能
「ヒトメタニューモウイルス」は基本的な感染症対策で予防が可能となっています。
厚生労働省の「感染症対策の基礎知識」に対策がまとめらていたため紹介します。
感染症は ①病原体(感染源)②感染経路 ③宿主 の3つの要因が揃うことで感染します。
厚生労働省 「感染症対策の基礎知識」より
感染対策においては、これらの要因のうちひとつでも取り除くことが重要です。
特に、「感染経路の遮断」は感染拡大防止のためにも重要な対策となります。
年末、年始や春節などで人の移動が多くなる時期のため、感染経路がどうしても広がってしまいます。
それでも個人でできる対策でも十分に感染症を予防することができるとされています。
細かい対策をまとめました。
具体的な対策:手洗いうがい、マスクの着用
私たちがする必要のある対策は、手洗いうがいの徹底とマスクの着用があります。
インフルエンザや新型コロナウイルスの際の対策と一緒で、ウイルスを体の中に入れないようにする工夫と、自身が菌を持っている場合は広げないことが感染症対策では重要となります。
「ヒトメタニューモウイルス」の感染拡大の時期はインフルエンザと被ります。両方に対しての感染症対策となりますね!!
大人(社会人)の対策:ストレスと疲労を溜めないようにする
「ヒトメタニューモウイルス」は大人には感染がしにくいとされていますが、大人でもストレスや疲労を溜めすぎた場合、感染する確率が大きく跳ね上がります。
ストレスや疲労が溜まると免疫力が低下してしまうため、本来では発症しなかった感染症も発症しやすくなるとされています。年明けから決算期にかけて忙しくなる時期でもあり、気温の低下などで体調管理が難しい季節となるため、いっそう体調管理とストレスへの対策を講じる必要があります。
また、インフルエンザやコロナウイルスと違って、「ヒトメタニューモウイルス」の感染症は「○○日休む」といった休む期間の指定がない病気のため、会社員であれば有給や休暇を取る必要があります。倦怠感や熱や咳が続くため、5~7日ほどは十分に動けなくなります。
大変な思いをしないためにも、感染症対策はしっかりしたいですね!!
まとめ
・「ヒトメタニューモウイルス」は大人にも感染する呼吸器感染症
・「ヒトメタニューモウイルス」の主な症状は発熱・咳・鼻水などで、5~8日間ほど続く
・「ヒトメタニューモウイルス」は手洗いうがい、マスクをする等の基本的な感染症対策で予防が可能
1月~3月は気温の低下によって免疫力などが低下することで、感染症が流行りやすいと言われています。少しでもおかしな症状や、気になる症状が出た場合は無理をせずに医者への受診や専門家へ見せるなど早めの対応を心がけましょう。
また、十分な栄養と睡眠をとったり、手洗いうがいをしたりなど、基本的な感染症対策を怠らないようにして感染症にかからないようにこの冬を乗り切りましょう!!
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