2025年1月13日に新潟県湯沢町のスキー場で、スノーボードをしていた女子大生が新雪に埋もれて心肺停止の状態で見つかり、亡くなる事故が発生してしまいました。
2025年の年始からぐっと冷え込み、日本各地に大雪をもたらしました。スキーやスノーボードといったウィンタースポーツにとってはメインシーズンの到来で、わくわくしている方も多いと思われます。
なんで雪で窒息死をしてしまうんだろう?
事故に合わないためにどうやって対策をしたらいいんだろう
なぜ雪で窒息死をしてしまうのか調査し、スキー場などで気を付けたいことを3つまとめました!
雪で窒息死してしまう理由
今回の新潟のスキー場で起こってしまった事故のように、雪で窒息死してしまう理由は雪にはまって溺れる状態になってしまうためとなっています。特に新雪で雪にはまってしまい窒息死してしまうケースが多くなっています。
新潟で起こった事故も新雪にはまってしまったことによる窒息死でした。
雪(特に新雪)にはまって溺れるとなぜ窒息死をしてしまうのか簡単に解説します。
圧雪されていない雪は、はまりやすい
雪、特に新雪の特徴として、下記があります。
押し固めた状態でない雪の場合、ふわふわとしておりとても柔らかくもろいのが特徴的です。
ふわふわの綿の中に手を入れれば自然と沈んでいくのと同じように、固まっていないふわふわの雪もこけたり突っ込んでしまった場合は一気に体が沈んでいきます。
新雪の下に固められた雪がある場合はそれ以上沈みませんが、新雪が殆どをしめている場合は恐ろしいほど沈んでいきます。
新雪に突っ込んだことがありますが、立てないぐらいズブズブと体が沈んでいきました……
もがけばもがくほど雪にはまってしまい窒息死に繋がる
雪にはまってしまうケースとしては、転倒してしまった場合やコース外に突っ込んでしまった場合があると想定できます。転倒やコース外に突っ込んでしまった場合は、早く復帰しなければと焦ってしまいがちです。
更に、新雪や固められていない雪が多いコース外は、焦っていなくても立ち上がろうと手をついても雪の中に沈んでしまうため簡単に起き上がることは難しくなっています。
なかなか起き上がれないことでさらに焦ってしまうことで、パニックなりさらにもがくうちに雪が口の中に入って気道を塞いでしまい、窒息してしまうことになります。
雪での窒息のメカニズムの詳細は分かっていないが、雪崩による埋没とほぼ同じ
窒息について、詳しい発生のメカニズムはまだ解明されていません。
ですが、雪の事故における窒息は、雪崩による埋没と同じケースであると考えられています。
<雪崩による埋没での窒息のケース>
・気道閉塞(雪や食べ物による)
・首の曲がり方(屈曲)による体位性の窒息
・口の周りにできる小売りの膜による窒息(アイス・マスキング)
・エアポケット(空気の塊)がないことによる低酸素血症
雪での事故をしないために、スキー場などで気を付けたいこと3選
雪での事故が起こるのは、豪雪地帯またはウィンタースポーツで訪れた先のスキー場で起こることが殆どです。
今回は楽しむ場所であるスキー場で雪の悲しい事故を起こさないために気を付けたいことを3つまとめました。
新雪の場合は、通常よりも仲間などに気を配り慎重に滑る
新雪はさらさらふわふわで、固められた雪よりも滑った時の心地も良いため、人気です。
ですが、事故が起こりやすいのも新雪となっています。
わくわくする気持ちもありつつも、滑り方をいつもより少し慎重にすると良いと思います。
圧雪された雪に慣れている場合は新雪だと感覚や滑り方が変わります。
仲間がいる場合は、仲間内でも声を掛け合って通常よりもペースを落とすと良いでしょう。お互いの様子やコース状況を確認しあうことで事故を避けることができます!
一人の場合は、周りで滑っている人たちの様子を見たり、スキー場の施設の人に雪の状態を聞いたりしてコースの状況や雪の状態を確認すると良いでしょう。
スキー場が開放しているコースを滑り、コース外に出ない
スキー場では、当日の雪の状況を見てコースを開放するかどうかを見ています。
スキー場でウインタースポーツを楽しむ場合は、訪れるスキー場の最新情報やその日の天気などの情報を逃さないことが重要になります。
スキー場はほとんど山にあるため、天気は変わりやすく予想は難しいですが、ある程度の天候を知ることでできる対策や心構えも変わってくると思います。最新の情報は常に確認できるようにしましょう。
また、コース解放されている場合でも、コース外は圧雪されていないことがほとんどです。
人が立ち入ってない場所や、柵で囲まれている場所には近づいたりしないようにしましょう。
コース内であっても油断大敵。
私はコース外の新雪に突っ込んで酷い目に遭いました
雪にはまってしまった場合、冷静に対処をする
いくら気を付けていても転倒してコースを外れてしまったり、圧雪されていないところに突っ込んでしまったりすることはあるかと思います。そうなってしまった場合は、まずは一呼吸おいて落ち着きましょう。
下手に動いたりすれば、更に雪に沈み込んでしまったり、無駄に体力や酸素を消費してしまったり、雪を口に含んで気道を塞いでしまったりと、自身の命を危険にさらす可能性がぐんと高くなってしまいます。新雪に沈み込んで自力では脱出が難しい場合に取りたい行動をまとめました。
また、風や雪が強い場合は大声を出しても届かないことが多くなっています。非常時のためにも音の出るホイッスルなど、自身の場所を特定してもらえるものを携帯しておくと良いでしょう。
まとめ
・雪での窒息の原因は、雪にはまって溺れる状態になるため
・雪にはまってもがけばもがくほど窒息のリスクが上がる
・雪にはまった時こそ、冷静に落ち着いて対処することが重要
以上、雪・特に新雪に対する窒息事故がなぜ発生するのか、事故に合わないための対策としてどうするのがいいのかをまとめました。
ウィンタースポーツ経験者で慣れている人であってもシーズン初めは気を抜いてはいけません。慣れたときほど事故は起こりやすいとされています。初心に立ち返り、安全に楽しくウインタースポーツを楽しみたいですね!!
また、初心者が仲間内にいる場合はふざけることなく初心者のレベルや様子を見て一緒に滑ってあげることが重要です。一瞬であっても目を離した隙に事故は簡単に発生してしまいます。楽しい時間が悲しい時間にならないためにも、みんなが楽しめるようにウインタースポーツを楽しみましょう!